top of page

インドネシア進出後に問われる「構造設計力」 ー 工場まで設立したのに在庫だけが積み上がる現実に困っていませんか?

  • 2月26日
  • 読了時間: 3分


インドネシア進出を検討する際、多くの企業がまず相談するのは 日本貿易振興機構(JETRO)でしょう。それは極めて合理的な判断です。制度、規制、法人設立、パートナー紹介。進出の入口を整えるという意味で、JETROの存在は大きい。


しかし、ここで一つだけ冷静に考える必要があります。


進出が無事できても、それはまだビジネスの成功ではありません。


現地法人を設立し、輸入許可を取得し、工場を建てる。これらは「市場に入る資格」を得ただけにすぎません。市場で選ばれる構造が設計されていなければ、売上は伸びません。そして在庫は積み上がります。


インドネシアは人口が多い国です。しかしその「2億8千万人」という数字は、そのまま御社の市場ではありません。若年層の失業率、地域間の購買力格差、モダントレードと伝統市場の分断、ブランドロイヤルティの強さ。これらを織り込んだ瞬間、実際に取りに行ける市場は大きく縮小します。


それにもかかわらず、多くの企業は「市場は大きい」という前提で進出を決めます。そして売れない理由を市場環境や為替、政治に求めます。しかし本質的な問題は、進出前に市場浸透の構造を設計していないことにあります。


インドネシア市場は制度の問題ではなく、心理の問題です。価格は受け入れられるか。棚は取れるか。選ばれる理由は明確か。配荷率はどこまで現実的か。広告を打つ前に、認知率は何%必要か。これらを定量的に設計しない限り、成功は偶然に委ねられます。


私たちが行うのはいわゆる「進出支援」ではありません。市場浸透の構造設計です。インドネシアの規制や政治リスクを冷静に読み解き、幻想を排除した上で、現実的な勝ち筋を設計する。進出前に「どこで勝つのか」「誰に選ばれるのか」「いくらなら受け入れられるのか」を定義する。これがなければ、どれだけ立派な法人を設立しても意味はありません。


「成功を保証します」とは言いません。しかし、成功は偶然ではありません。成功は構造です。認知率、配荷率、選好率。この三つの掛け算を現地の現実に合わせて設計し、修正し続けること。それだけが成功確率を高める唯一の方法です。


インドネシア進出を検討されているなら、ぜひ自問してください。自社商品の勝ち筋は、数字で語れますか?市場に入る準備は整っていても、市場で勝つ準備は整っていますか?


JETROに相談することは合理的です。しかし、その先を設計できるパートナーは別に必要かもしれません。進出はスタートラインです。市場浸透は設計しなければ起きません。


インドネシアはチャンスの国ではありません。結局、他国と同様、構造を理解した企業にだけ、チャンスが現れる国に変わりはないのです。(了)

bottom of page