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インドネシアビジネスのヒント
弊社の経験に基づく、お役に立つような情報を厳選して掲載しております。基本的には、一次情報をメインとしておりますが、ソースを明らかにした上で二次情報を元にした情報をお届けいたします。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の状況に対する法的助言を行うものではありません。
(弁護士法第72条(非弁行為の禁止)は、弁護士でない者が、実質的に報酬を得る目的でアドバイス(法律相談)を含む法律事務を取り扱うことを禁止しており、この条文は国を限定していないため、弊社はインドネシアの法律などあらゆる法的助言は行なっておりません。また、インドネシアの弁護士法(Undang-Undang Advokat No. 18 Tahun 2003)のも同様の条文があります。)
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楽観視できないインドネシア ー 人口ボーナスの裏側で、なぜ若者は海外就労を目指すのか
インドネシアは「人口ボーナス期」にある。日本企業向けのセミナーや進出関連の資料では、この言葉がほとんど決まり文句のように使われる。若い人口が多く、生産年齢人口の比率が高く、内需の拡大が期待できる巨大市場。統計だけを見れば、確かに魅力的に映る。 しかし、その「ボーナス」は本当に企業にとってのボーナスなのだろうか。 人口ボーナスとは、単に若者が多い状態を指す言葉ではない。本来は、働く世代が十分に雇用され、生産活動に参加し、所得を得て消費できることで、経済成長が加速しやすい構造を意味する。逆に言えば、若者が多くても、彼らが働けず、十分な収入を得られなければ、その人口構造は成長エンジンではなく、不安定化要因になりうる。 近年のインドネシアでは、まさにその懸念が強まっている。完全失業率は一見すると5%前後で推移し、国際比較でも極端に高い数字ではない。貧困率も政府発表では低下している。こうした数字だけを見ると、「若い国」「伸びる国」という物語は維持される。 だが、現実はそれほど単純ではない。 まず問題なのは、若年層の失業率が全体平均よりかなり高いことである。
3月10日読了時間: 6分


インドネシア進出後に問われる「構造設計力」 ー 工場まで設立したのに在庫だけが積み上がる現実に困っていませんか?
インドネシア進出を検討する際、多くの企業がまず相談するのは 日本貿易振興機構(JETRO)でしょう。それは極めて合理的な判断です。制度、規制、法人設立、パートナー紹介。進出の入口を整えるという意味で、JETROの存在は大きい。 しかし、ここで一つだけ冷静に考える必要があります。 進出が無事できても、それはまだビジネスの成功ではありません。 現地法人を設立し、輸入許可を取得し、工場を建てる。これらは「市場に入る資格」を得ただけにすぎません。市場で選ばれる構造が設計されていなければ、売上は伸びません。そして在庫は積み上がります。 インドネシアは人口が多い国です。しかしその「2億8千万人」という数字は、そのまま御社の市場ではありません。若年層の失業率、地域間の購買力格差、モダントレードと伝統市場の分断、ブランドロイヤルティの強さ。これらを織り込んだ瞬間、実際に取りに行ける市場は大きく縮小します。 それにもかかわらず、多くの企業は「市場は大きい」という前提で進出を決めます。そして売れない理由を市場環境や為替、政治に求めます。しかし本質的な問題は、進出前に
2月26日読了時間: 3分


楽観視できない「インドネシア」-制度から見た現地ビジネス
インドネシア進出を検討する日本企業にとって、昨年の規制緩和は確かに追い風のように見えます。最低払込資本金の引き下げやオンライン申請の整備など、「以前よりも参入しやすくなった」という情報が各所で強調されています。しかし、その“入りやすさ”という表層だけを見て進出を決めるのは極めて危険です。 とりわけ、日本のメーカーが自社製品をインドネシアに輸入し、現地で卸売するために現地法人(PMA)を設立する場合、表面的な規制緩和の裏にある実務上の高いハードルを正確に理解していなければ、事業は簡単に躓きます。本稿では、最新のジェトロの報道内容も含め、輸入卸売型の進出に潜む「不都合な真実」を整理します。 「25億ルピアで進出できる」に潜む数字の罠 最近よく耳にするのが、「最低払込資本金は25億ルピア(約2,300万円)でよくなった」という説明です。確かに制度上はその通りですが、それだけで進出可能と理解するのは誤りです。ジェトロが現地投資当局(BKPM)に確認した内容によれば、会社設立時に求められる「土地・建物を除く最低投資額100億ルピア(約9,000万円)超」と
2月19日読了時間: 4分


【進出検討中なら必読】インドネシアの外資規制緩和を読み解く
―外資系会社設立のための最低払込資本金額を引き下げなければならない理由とは 2025年10月、インドネシア政府は外国企業(PMA)設立時の最低払込資本金をこれまでの100億ルピアから25億ルピアへと大幅に引き下げた。これを「進出の絶好機」と喧伝し、日本企業を誘い込むコンサルタントが散見される。だが、その言説は無責任と言わざるを得ない。今回の規制緩和の背景には、インドネシアへの外資参入の鈍化に対する政権の焦燥感と、国内に渦巻く深刻な構造的リスクが隠されているからだ 。 序) 一見すると「歴史的緩和」に見える新規則 2025年10月に施行されたBKPM規則2025年第5号は、インドネシアにおいて外資企業の設立を検討している企業にとって大いにメリットとなる「緩和」含んでいる。主なポイントは、以下の3点にまとめられる。 初期コストの劇的圧縮 : 払込資本金の最低額が100億ルピアから25億ルピアへと4分の1に引き下げられた。 多拠点展開の容易化 : 飲食やサービス業の投資計算単位が広域化(市・県単位)され、ドミナント出店がしやすくなった。 許認可の迅速化
1月24日読了時間: 6分




インドネシアの市場調査も。変化した定量調査の常識
はじめに:あなたのインドネシアの市場調査は、本当に現実を映しているか? 「性別・年齢・年収・居住地」──かつて、マーケティング調査においてこれらのデモグラフィック情報(デモグラフィック属性)は、ターゲットを明確にするための必須条件とされてきました。多くの企業が、定量調査等を...
2025年5月16日読了時間: 5分


プラボウォ大統領の「歳出削減」── その本当の狙いとは?
ロイター/Willy Kurniawan 一見「庶民のための節約」だが── インドネシアのプラボウォ大統領の「歳出削減」は、2025年度予算において約306兆ルピア(約3兆円)にも及び、大きな話題を呼びました。 式典、セミナー、出張旅費、筆記用具に至るまで徹底的に削減され、...
2025年4月11日読了時間: 3分


インテリジェンスなしのインドネシア進出は、現代のインパール作戦か?
日本はかつて、戦略とインテリジェンス(高度な情報収集・分析)を駆使し、日露戦争(1904-1905年)で大国ロシアに勝利しました。しかし、第二次世界大戦では戦略と情報収集が軽視され、その象徴的な失敗が インパール作戦(1944年) ...
2025年3月17日読了時間: 4分


今のインドネシア経済は、日本の高度経済成長期とどのように違うか?
はじめに インドネシアは近年(コロナ禍を除けば、10年以上にわたり)、実質経済成長率5%台の安定した経済成長を遂げている。これは世界的に見れば堅調な数字だが、日本が高度経済成長期(1950〜1973年)に記録した 年率10%前後の成長 と比べると、ペースは半分以下だ。この違いはどこから生まれるのか? そして、今のインドネシアは「明日は今日より良くなる」と確信を持てているのか? ここでは、2025年2月に発表されたKata Dataによるレポート「経済不確実性の中のインドネシアの中流階級」をベースに、比較してみたい。 1. 経済成長の構造の違い 日本:輸出主導の工業化が成長を牽引 1950年代の日本は、第二次世界大戦後の復興を経て、急速な工業化に向かった。政府は 重化学工業の育成 に力を入れ、自動車、鉄鋼、造船、家電などの製造業が国際競争力を持つまでに成長した。 また、日本の成長は 輸出主導型 だった。例えば、1960年代にはトヨタや日立といった企業が海外市場を開拓し、日本製品の品質と低価格を武器に世界市場を席巻。これにより、国内の生産・雇用が急拡
2025年2月21日読了時間: 5分
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